カメの「マーチ」イタリアに飛ぶ 〜ミシシッピニオイガメをイタリアに連れて行く方法〜

ミシシッピニオイガメをイタリアに連れて行った際の、手続きなどをまとめたブログです

こっそりオーディオ - 03

さて、今回でスピーカー改造計画の最終回になる予定です。

作業自体は大したことはありませんでしたので、その後の調整の話がメインになります。

 

作業工程-2

前回、片側だけ作業して、軽く仮組みして聴き比べたところ、パッシブラジエーター方式はかなりまずそうでした。

とは言っても、仮組みでしたし、両方仕上げて調整すればそれなりのものになるかもしれません。

めげずに、両方とも仕上げました。

 

今回のパッシブラジエーターはP800Kのマグネットやコイルなども外さずにそのまま使用しました。ネットでいろいろ調べていると、マグネットがついたままでも十分使えるらしいこと、むしろスピーカーそのままの方がいろいろ遊べそうなことがわかりましたので。

で、どんな遊び方かというと、パッシブラジエーターにしたユニットの回路を閉じてダンプしたり、アンプにつないでフルレンジ2発タイプに変更したりと・・・。

ということで、パッシブラジエーターにするP800Kにもケーブルを付けて外に出すことにしました。

f:id:marchcage:20170524224338j:plain

 背面の下の方に小さな穴を開けて、そこからケーブルを出しました。このケーブルの使い方はまだ確定していないので、穴の隙間にはとりあえずティッシュを詰め込んでいます。

 

両方仕上げて試聴

大きな失敗もなく、無事に両方とも仕上がりました。パッキンなども付けて試聴してみました。ワクワクする瞬間ですね〜。

さて、音を出してみると・・・、仮組みの時のラジオな音ではないものの、低音が期待したほど出ません(泣)。

密閉型のような詰まった感じではないものの、低音は密閉型(バスレフポートを塞いだとき)と大差ないレベルです。

パッシブラジエーターから逆位相の低音がたくさん出ているらしく(?)、ベースのフレーズで聞こえない音がたくさんあります。

 

パッシブラジエーターにしたP800Kの最低共振周波数は115Hz。

一方、メインのP830987の最低共振周波数(Fs)は107.97Hzとあります。

パッシブラジエーター側の方が低音が弱いので、ある程度は予測していたもののこれはちょっと期待外れすぎる。うーんどうしたものかと考えて、パッシブラジエーターに結線したケーブルで、ダンプを試すことにしました。

 

パッシブラジエーターのダンプを試す

パッシブラジエーターに結線した回路を閉じたり解放したりしてみました。

「回路を閉じる(つまりショートさせる)と、パッシブラジエーターの効果がダンプされる(マグネットとコイルの間に負荷がかかるため)」とネット情報を得ていたのですが、やってみるとショートさせた方が低音感が増す気がしました。

とりあえず、ショートさせている方が低音はいい感じなのでそのまましばらく聴いてみました。

 

中域のピーク

しばらく聴いていると、ドラムのタムの一番上の音くらいにとても強いピークがあって、耳についてきました。

どうやら、期待していなかった中域がやたらと増強されているようです。

メインのスピーカーの中域をパッシブラジエーターが拾いすぎているのかもしれません。

そこで、メインスピーカーとパッシブラジエーターとの間に奥行き5センチほどの仕切りを挿入し、メインスピーカーの周りに少し吸音材を追加しました。

ネットで得た情報では、「吸音材は極力少なくして、背面圧をしっかりパッシブラジエーターに伝えた方が良い」と言った意見が多いのですが、メインスピーカーとパッシブラジエーターが同じようなサイズの場合、共振しすぎて高域から低域まで全ての音を出してしまうのかもしれません。

 

さらにダンプしてみる

 パッシブラジエーターの回路を閉じてダンプさせた方が低音感が増す。じゃあ、試しにもっとダンプする方法はないのか。

実際、パッシブラジエーターのコーンを軽く指で押さえて振動を抑制すると、さらに低音感が増して締まりのあるいい低音が出てきます。

 そこで、パッシブラジエーターの手前にも吸音材を追加したり、いろいろためして、やはり期待していなかった中音域の出過ぎが原因であることがわかりました。

吸音材無しでパッシブラジエーターの回路も解放のままでは、全域の音が出ていて低音から高音までもが濁ってしまうのです。このままでは良いところがありません。

 

指の代わりはないか

指で振動を抑えるととてもいい音がします。パッシブラジエーターから出てくる中高音域が抑制されるからのようです。しかし、聴く時にずっと押さえているわけにもいかず(あたりまえや!)、じゃあ指の代わりになるものを探せばいいってことになりました。

ググってみるとコーンに重りを貼り付けるなどの手法を見かけましたが、もっと簡単な方法はないんでしょうか。貼り付けたりしたら、重りの重さの調整をする時に剥がしたりいろいろ大変そうです。下手をするとユニットを破壊してしまうかも。

で、辺りを見回すとすぐ近くにあるではないですか。コットン状の吸音材をコーンの裏側に挟んでやればいいんですよ。

 

f:id:marchcage:20170524233130j:plain

 コーンと支柱の間に丸めた吸音材を軽く詰め込んでいます。

これで、中高域の振動が劇的に抑制されました。

おかげで、スピーカー内に追加した吸音材無しでも心地いい低音が得られるようになりました。

これでひとまず調整を完了です!

 

音質レポート

 

f:id:marchcage:20170524195134j:plain

当初期待していたブンブン唸るような「圧倒的な重低音」は得られませんでしたが(当然ですが)、密閉型のような美しい中高域と同時に、締まりのある、解像度の高い低音が同時に出ています。箱は密閉されていますが、密閉型にありがちな詰まった感じもありません。

P830987をメインにしていればツィーターの必要を全く感じません。

低音はバスレフに比べ量は少なく感じますが、変なボーボーいう感じはなくなり、ベースのフレーズがはっきり聞こえるようになりました。「こんなフレーズを弾いてたのか」とか「このフレーズ、モタってる(遅れてる)なあ」と思わせるところもあって楽しいです。離れて聴いてもモヤっとした感じになりません。

大音量では試していませんが、集合住宅で聞く程度の音量では、全域にわたってクリアで透明感のある音になりました。低音の量は少し減っていても質は上がっています。1グレードアップしたような音質になったと言えるかもしれません。

低音でもう一つ感じるのは、再生するソースによっては、バスレフと同程度に低音の量感があるものと、そうでないものがあることです。これはもしかすると、バスレフでは元がどんな音であろうと一様に同じような低音を付加して、ニセの低音が出ていたせいかもしれません。

あと、全体の音量はバスレフの時に比べて小さくなった気がします。バスレフポートから出てくる低音以外の余分な音をスピーカー内に閉じ込めたので、当然かもしれません。現在使用しているアンプで、1〜2メモリ上げないと同じくらいの音量に聞こえません。 

また、バスレフの時は音量を上げすぎるとうるさくなるというか、耳障りな感じになっていたのに対して、今回の改造版ではそれがありません。音量を上げても音が破綻してこないので、ついつい音量を上げてしまいます。高音もしっかり出ているのですが耳が痛くなることもないので、バランスもいいのでしょう。

 

ちなみに、P800Kもアンプに繋いでフルレンジ2発の密閉型の音も楽しみました。並列に繋いだり直列に繋いだりしまいたが、P830987よりP800Kの方が能率が高いため、P830987の高音が消されてしまいました。P800Kの豊かな中音は素敵でしたが、目指しているところとは違うので却下しました。並列繋ぎと直列繋ぎでは気のせいか直列繋ぎの方が音にまとまりがあって良い気がしました。それと、フルレンジ2発鳴らすと密閉型でも詰まった感じにならないのは発見でした。

 

 まあ、ここまでやるなら箱から作った方が良さそうなものですが、仕上げのできまで考えるとP800-Eを改造した方がお手軽ですし、何と言っても安い!

P830897に換装した以外は追加費用無しで、随分いいスピーカーに仕上がったなあという印象です。

また改造したくなるかもしれませんが・・・。

たとえば、パッシブラジエーターをもっと低音が出るユニットに変えるとか、側面にでかいのをつけてみるとか・・・って、もう次のこと考えてるし。